単電子デバイス・回路の研究状況と今後の展望 


 田部道晴、小田俊理、平本俊郎、中里和郎、雨宮好仁

   ひとつひとつの電子の動きを制御する,単電子デバイスと呼ばれる新しい概念が産声 をあげて約10年が経った.

 この間,「単電子」を頭に冠するトランジスタ,メモリ ー,論理回路などさまざまなデバイス・回路が急ピッチで 試作され,単電子物理に根 差した独特の振舞が次々と実証されている.
 さらに,単電子に適した新しい回路や情 報処理手法の研究も進展している.
 一方で,将来の集積化を念頭に置いたさまざまな 課題も浮き彫りにされつつある.

 ここでは,デバイス応用の立場から,単電子に関わ る研究状況と今後の展望について述べている.

応用物理; 66; 99-108; 学術誌; (1997)