電波と光の中間にある約 0.1~10THz の周波数はテラヘルツ帯とよばれ、これまで未開拓な領域でしたが、最近、超高速無線通信、イメージング、分光分析、物性・天文・生体などいろいろな分野にわたる計測など、非常に幅広い応用の可能性が明らかになり、盛んに研究が行われるようになってきました。しかしながら、テラヘルツ波を発生できる光源や検出器はまだ十分に開発されているとはいえない状況にあります。特に、室温で動作するコンパクトな高出力・高効率の半導体光源や高感度・低雑音の半導体検出器は未だに実現していません。
本研究室では、半導体ナノ構造の中で生じる新しい現象を使って、テラヘルツ波を発生・検出する微細デバイスやその集積回路の実現、さらにはそれらの応用展開を目指しています。これまでに半導体電子デバイスで初めての室温テラヘルツ発振の達成や、それを使った無線伝送実験などを行ってきました。
